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2008年 07月 19日 ( 1 )

向田邦子『父の詫び状』

   「NHKアーカイブス」で、向田邦子原作のドラマ
 『父の詫び状』を観る。

  原作とは異なる状況で「詫び状」は出されるが、
 ドラマとしてはこのほうが良いと思う。

  原作をお読みになった方はおわかりでしょうが、
 あのエピソードは映像にしないほうがいいでしょう。^^;
 
  就職した年の1985年に買った『父の詫び状』(文春文庫)を
 引っぱりだして再読。
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  今読み返すと、「あぁ、これは向田さんの『創作』やなぁ」
 とおぼしき描写も多い。
  でもそれは、「読者を楽しませたい」というサービス精神ゆえだろう。
  
  「ウェイトレスや看護婦さんや、ユニフォームを着て働く
  人を見るたびに、この下には、一人一人、どんなドラマを抱えているかも
  知れないのだ。十把ひとからげに見てはいけない、と自分にいいきかせている」
 (135頁)と殊更に述べる部分や、タクシー運転手に関する描写などの「上から目線」に、
 「う~ん、ちょっとなぁ・・・」と首をかしげる点も、結構多い。
  
   しかし、細やかな感性と、心地よい文章のリズム感。
   そして、当時の生活文化に関する丁寧な描写。
 

   『父の詫び状』と『枕草子』を同時に読める幸せを実感する。

     
     
by kase551 | 2008-07-19 23:48 | | Trackback | Comments(0)