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2007年 11月 18日 ( 1 )

『愛の断層・日々の断層』

  ドイツのジンメル(1858‐1918)という
 社会学者は、硬直した理論を振り回す「センセイ」
 ではなく、柔軟な思考と幅広い関心・教養をうかがわせる
 点が魅力的です。

  たとえば、「コケットリー」に関する論文では、
 「拒絶するようでいて、また受け入れるようでいる女性の
 様子に、男性は魅かれる」という趣旨の文を書いています。

  また、「異郷人」に関する論考では、「異郷人」が持ちうる
 「客観的視野」の可能性について述べています。
  ジンメルが、ドイツにおけるユダヤ人だったという背景を
 考えると、一層説得力がある論考です。


  未読だった『愛の断層・日々の断層』(清水幾太郎訳、岩波文庫)
 を、今日買いました。
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  清水さんの名訳のおかげでもありますが、絶妙の「ジンメル節」に
 ニヤついたりうなづいたり・・・・

  「日々の断層」から、いくつか引用します。
  

  人間というのは、全く飢えた生物である。動物は、食えば満腹している。(78頁)  

  酔って正気なのは見事だが、正気の人間が酔ったら手がつけられぬ。(118頁)

  誘惑する(どんな意味でも)という可能性ほど私たちを誘惑するものはない。(119頁)

  大抵の人間は、月満ちて生まれるが、月足らずで死ぬ。(120頁)
 

 
by kase551 | 2007-11-18 23:41 | | Trackback | Comments(0)