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『ペパーミントキャンディ』と『砂時計』

 しばらく連絡を取っていなかった友人と、
先週ひさしぶりに電話で話し、メールの
やりとりをした。

 彼のおかげで、韓国映画『ペパーミントキャンディ』の
ことを思い出した。

 以下、「ネタバレ」なので、数行空けます。^^
























 
『ペパーミントキャンディ』の主人公は、韓国の70~90年代を生き、
1980年の「光州事件」に従軍し、刑事として「民主化運動家」を拷問・弾圧し、
妻と離別し、バブル経済に浮かれて挫折し、鉄道自殺を図る。

 イチャンドン監督の名作であり、主演のソルギョングの演技も素晴らしいのだが、
私はこの主人公に、強い嫌悪感を抱いている。


 時代のせいにするなよ・・・
 周囲のせいにするなよ・・・
   

 韓国の名作テレビドラマ『砂時計』は、この映画以上に「光州事件」を詳しく描いている。
 中学時代からの親友である二人の男が、「光州事件」では、鎮圧部隊兵と、市民軍に分かれる。

 後に二人は再会し、市民軍だった男は、「俺は光州で鎮圧部隊だったんだ」と告白する
親友に、次のような内容のことばを語る。


 「そのあと、どう行動するかが大事じゃないのか?」
  

 『ペパーミントキャンディ』の主人公は、
「時代に翻弄された」「周囲に流された」という
被害者意識をつのらせ、何の関係もない列車の運転士に
「人殺し」をさせるという、悪質極まりない「鉄道自殺」
によって、自らの命を絶つ。

 ドラマ『砂時計』においても、市民軍だった男は、
子分の母親から、「あなたは生きて、このことを伝えてください」と
哀願されたにもかかわらず、その体験を生かすことなく、
「裏社会」の大物となり、検事になった親友から死刑を求刑され、処刑される。


 この名作映画とドラマは、「そのあと、どう行動するかが大事じゃないか?」
という共通するテーマを含んでいるような気がする。


 『砂時計』は、2,3度「復習」しているが、
『ペパーミントキャンディ』は一回しか観ていないので、
もう一度観たいと思う。
by kase551 | 2008-10-20 22:18 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(0)


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