当ブログのお客様である稲田さんに教えていただいた
なぎら健壱『歌い屋たち』(文藝春秋)を読みました。
フォークソングに対する、いえ、歌に対する
なぎらさんの愛にあふれた傑作です。
現代日本における地方都市の描写や、
そこに巣食う「ナツメロフォーク好き」の
描写もリアルで、味わい深い。
そして、吉田拓郎への違和感(私も昔から吉田氏は嫌いです)
や、 「負け犬」への複雑な共感・・・・
また、酒好きのなぎらさんならではの
飲酒場面のリアリティが、いいんですねぇ。
「サントリーレッドよりもハイニッカのほうが旨いし、体にもええのに・・・・」
と思いつつ、^^; 読み続けました。
「元流しの工員」に関しては、ちょっと違和感を覚えましたが・・・・
説明口調が長すぎ・・・・
でもほんま、なぎらけんいち=なぎら健壱というひとは、
歌が好きなんですねぇ・・・
プロのなぎらさんと張り合うつもりなど毛頭ありませんが、
私も趣味として、音楽・歌を心から愛しております。
なぎらさんの歌を初めて聴いたとき、「ああ、丁寧に歌ってるなぁ・・・・
この人はほんまに歌が好きやねんなぁ・・」と感じました。
原監督の「ジャイアンツ愛」ではありませんが、
なぎらさんの「歌愛」に共感する方たちには
ぜひお読みいただきたい本です。
しかし、次の箇所には首をかしげました。
(以下の引用は「ママ」です)
「どこ?」
「平城」
「へ、平城って・・・・・・」
「あの平城だよ、朝鮮の平城。今の北朝鮮のピョンヤンだ」(260頁)
これについては出版社経由で、なぎらさんに手紙を送ろうと思います。