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『人は見た目が9割』

 竹内一郎著『人は見た目が9割』〔新潮新書〕を、
興味深く読みました。

 劇作家・マンガ原作者である作者が、自作などを
事例として示す、「言葉以外のコミュニケーション」の
有効性には説得力があり、「その通りやなぁ」と同意する点が、
多々ありました。

 第6話「色と匂いに出でにけり」が、一番印象に残りました。

 拙宅において私は、「出勤前に勢いをつけたい場所」である
洗面所には赤色のタオルを置き、「落ち着きたい空間」である
トイレには、青のタオルを置いております。
 これは、作者の指摘する「色のメッセージ」と一致します。

 オールカラーのマンガが「もたもたするなあ」という
感想も、面白かったですね。
 
 オールカラーのマンガでは、マンガ家は書き込んでしまう傾向が
強くなり、読者が自分に合った「読むリズム」を作りにくくなるため、
水墨画の「省略の美」に通じる白黒マンガのほうが、マンガ読者の
観賞眼に適しているという指摘(110頁)に、感心させられました。


 「言葉は7%しか伝えない」(18頁~)という指摘には、
「う~ん、それは言い過ぎちゃうかぁ・・・・」と同意しかねますが、
言葉以外の容貌・髪型・ヒゲ・服装・しぐさ・表情・話すタイミング
などが、言葉よりも強いメッセージを伝える場合もあると思います。 
 
 「私は言葉より見栄えの方が、よりその人の本質を表していると
考えている」(14頁)など、「勇み足」の部分もありますが、
この本は、「外見だけが大事」と主張しているわけでは、
決してありません。

 それは、第2話「仕草の法則」、第5話「日本人は無口なおしゃべり」、
第7話「良い間、悪い間、抜けてる間」などを読めば、すぐわかるのですが・・・・

 今日(9月6日)の『朝日新聞』夕刊を見ると、
「書店に並ぶのは『人は見た目が9割』といった、人を外見で判断することを
勧める本だ」(「思想の言葉で読む21世紀論」)という記事が・・・・・
 
 この清水克雄さんという編集委員は、おそらく『人は見た目が9割』を
読んでいないんでしょうねぇ・・・・ 

 一面の「素粒子」(これもおそらく某編集委員の筆によるものでしょう)も、
読むに耐えぬ駄文ばかりで(これほどつまらなく、ひとりよがりのコーナーを
続けるのはなぜ?)、そろそろ『朝日』の購読をやめようかと考えております。
『人は見た目が9割』_c0040369_194582.gif
〔『朝日新聞』夕刊 2006年9月6日 一面〕
これは、酔っ払いのブログにおける「つぶやき」ではなく、日本を代表する
新聞の一面なんですよねぇ・・・
 こんなものに、カネを払うのは、そろそろやめたいなぁ・・・・
by kase551 | 2006-09-06 19:05 | | Trackback | Comments(0)


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