『毎日新聞』に短期連載している
作家・楊逸(ヤンイー)さんに関する
人物紹介が読み応えがある。
楊さんが芥川賞を受賞した時、
「なぜ今、こんな『近代文学』を読まなければならないの?」
というコメントを発した「評論家」がいたが、
『近代文学』の何が悪いのか、私にはまったく理解できなかった。
自意識やトラウマや日常の生活における細やかな心理描写や、
「脱構築」の世界を描いた小説の魅力もあるのだろうが、
中国と日本という二つの世界を知る楊さんの小説の魅力を
否定する「評論家」の世界観の狭さを、私は嘲笑する。