現在放映中のNHKドラマ『おひさま』は、
戦時中の日本社会を背景にしている。
昨日放映された中には、戦地に赴いた男に代わって、
女がさまざまな職場で働くようになるという、
「戦争と女性」に関する内容が、盛り込まれていた。
斎藤美奈子さんの『モダンガール論』(マガジンハウス)
を思い出した。
以下、同書の189頁から引用する。
(引用はじめ)
戦争には「階級差別」と「性差別」という
平時における二つの差別を忘れさせる効用がある。
国民皆勤のかけ声と物資不足からくる耐久生活は、
「国民はみな平等」の錯覚をおこさせる。
さらに、「男は戦争/女は労働」の戦時政策は、
「女性の社会進出→婦人解放」の幻想をいだかせる。
戦争=銃後の暮らしは女性に「出世」を疑似体験させるのだ。(引用終わり)
このドラマの脚本家・岡田恵和氏は、ストーリー作りは巧みだが、
斎藤さんのような歴史的問題意識はおそらく薄いと、私は考えている。
岡田氏が以前、NHKの同じ時間帯で脚本を書いた
『ちゅらさん』に抱いた違和感が、持続している。
いい意味で裏切ってくれればいいのだが・・・・