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マジメなマンガ家

 吾妻ひでお氏の『失踪日記』(イースト・プレス)
を読みました。

 自身の漫画家としての軌跡から、2度に渡るホームレス体験、
配管工体験、アル中体験、入院体験に至るまでを、
独特の可愛らしい絵柄で、ユーモアを込めて、淡々と描いています。
 
  巻末の、とり・みき氏との対談で、
「自分を第三者の視点で見るのは、お笑いの基本ですからね」
と語っているように、さすがプロです。

 アル中体験といえば、故中島らも氏(『失踪日記』で吾妻氏も、彼に
呼びかけています)の『今夜、すべてのバーで』(講談社)が思い浮かびますが、
中島氏は「ええかっこしぃのボン」なので、どうも鼻につきます。
 「あんたが頭ええのはようわかっとるから、そんなに気張らんでもええやん」
という感じですね。

 もちろん中島氏の作品は小説ですが、登場人物のセリフが、
いかにも「頭で作った」という感じで、しらけます(中島ファンの方、すみません)。


 しかし吾妻氏は、中島氏のような見栄や衒いがなく、
読者サービスに徹しているので、笑って読みながら、
「この人、すごいなぁ」と感嘆してしまいます。

 「基本的にマジメすぎると追い込まれるんですよ」
と語る吾妻氏の真面目さは、彼と家族を苦しめると
ともに、このような傑作を生み出させたといえましょう。  
 もちろん、才能あってのことですが。


 それにしても、おどろくほどの率直さと丁寧さ・・・・・
 そして、絵の魅力・・・・

 卯月妙子さんの『実録企画モノ』〔太田出版〕
 花輪和一さんの『刑務所の中』〔青林工藝舎〕
などを読んだときと同様の感動と敬意を・・・・・・・・・
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by kase551 | 2005-03-24 02:04 | マンガ | Trackback | Comments(0)
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