筑紫哲也氏が死んだ。享年73。
たしか筑紫氏と本多勝一氏は、朝日新聞の同期入社だった。
定期購読している『週刊金曜日』の編集委員をつとめる両者を、
私は「柔の筑紫と剛の本多」と、勝手に分類していた。
学生時代、私にきわめて大きな影響を与えたのは、
本多氏の著作群だった。
『殺される側の論理』『殺す側の論理』『アメリカ合州国』
(「合衆国」ではありません^^)『極限の民族』『北爆の下』
『中国の旅』『食事と性事』『日本語の作文技術』
『日本人は美しいか』『しゃがむ姿勢はカッコ悪いか』などなど・・・
本多氏の著作に出会わなかったら、今の私はなかっただろう。
一方、筑紫氏は、テレビの『こちらデスク』を通して、
「問題意識を持つ、なかなか頼りになるオッサン」という
印象」を、私(ガキのくせに生意気ですねぇ・・・^^;)に与え続けていた。
筑紫氏の「文化至上主義」的な部分には、違和感を感じることも多かった。
「若者たちの神々」で取り上げられた人物たちには、「う~ん」と
首をかしげることも多かった。
また、小泉売国内閣発足当時、小泉の「オペラ好き」をもてはやすような
姿勢を見せたことにも、「おいおい・・・」と違和感を抱いた。
天野祐吉などとつるんでるのも、「なんかなぁ・・・」と思っていた。
しかし、『こちらデスク』や『ニュース23』を通して、筑紫氏が発信していた
問題意識と柔軟な姿勢には、教えられる部分が多かった。
あの柔和な微笑も忘れられない。
冥福を祈ります。