拙宅のすぐ近くに、昔ながらの八百屋がある。
50代前半とおぼしき店主とおかみさんが切り盛りしている。
近辺にかなり大きなスーパーが3店あるにもかかわらず、
長年営業を続けられる理由は、周辺の飲食店や近所の固定客を
つかんでいるためだろう。
もちろんそれは、品揃えのよさがあってのこと。
そして、大将(店主)とおかみさんの人柄も。
私も野菜はほとんど、この店で買っている。
仕事帰りに大将に「こんばんは」と声をかけると、
「おっ、今日は早いんですね。これから一杯ですか?」と返ってくる。
これまで10回くらい引っ越しをしたが、家選びの条件の一つとして、
「昔ながらの市場や商店があるところ」という事項は一貫している。
私はスーパーやコンビニでも、絶対に無言で買い物はしない。
よほど感じの悪い店員でない限り、「はい」「どうも」「袋はいりません」
など、必ず何かひとことは言う。
発話ができない人が、無言で買い物をするのは当然だが、
仏頂面で無言でレジで計算を終えた人が、携帯で笑いながら
話をしている姿は見苦しいと、私は思う。