『愛と哀しみのボレロ』

  昨日と同様に、今日の満月も、しっかり拝めました。

  まだまだ日中は真夏日が続きますが、朝夕は
 かなり涼しくなってきました。
  
  今夜はベートーベンの『月光』を聴きましょう。


  この曲を聴くと、映画『愛と哀しみのボレロ』を思い出します。

  たしか、1982年ごろ日本で公開されましたね。
 
  当時、兄から「これはええでぇ」と勧められて見て、
 「こんな映画があったんか!」と感嘆した映画です。

  今はなき、大阪の「大毎地下」で観た、「私が選ぶ名画ベスト10」
 に入る傑作です。

     
  ルドルフ・ヌレエフ、カラヤン、エディット・ピアフ、グレン・ミラー
 をモデルに、クロード・ルルーシュ監督が描いた壮大な家族の
 物語であるこの映画で、カラヤンを連想させるカールが、
 1938年のベルリンにおいて、ヒトラーの前でピアノ演奏するのが、
 この『月光』です。
 
  帰宅して、「総統からおほめの言葉を頂いたよ!」と
 妊娠中の妻の腹を撫でながらはしゃぐカール。

  父親となった彼は、第二次世界大戦開戦とともに
 徴兵され、ドイツ軍の軍楽隊長として、パリに駐留します。
  そこで、エディット・ピアフを連想させるフランス人歌手と
 カールは愛し合い・・・・・
  
  そして、「占領軍放送」で流れるカールのピアノ演奏に
 「上手いものだ」とつぶやく、ピアニストのシモンと
 バイオリニストのアンヌは、「ユダヤ人狩り」によって
 アウシュビッツ収容所に送られ・・・・
  
  ユダヤ系フランス人であるルルーシュ監督が描く
 ナチスによる「ユダヤ人狩り」「アウシュビッツ虐殺」は
 リアリティにあふれています。
 
 それでいて、ドイツ将校だったカールを「悪役」として
 断罪しない描き方にも深みがあり、「『男と女』のメロドラマ監督」という
 ルルーシュ監督に対する私の偏見(ガキの浅はかさ)は、この映画で砕け散りました。
 

  映画の冒頭で流れる、次のことばも味わい深いですね。


  人生には2つか3つの物語しかない
  しかし それは 何度も繰り返されるのだ
  その度ごとに 初めての時のような残酷さで

                ウィラ・キャザー  


  
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by kase551 | 2007-09-27 22:26 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(2)
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Commented by 稲田 at 2007-09-28 11:09 x
大毎地下ですか。懐かしいですね。大阪だと大毎地下、北野シネマあたりに通っていました。ATGの難解な映画が、高校からの「逃走」だったです。
大阪・三宮とも、シネコンで館数は増えたものの、いわゆる名画座・二番館・ミニシアターは壊滅状態です。生き残っているのは、湊川のパルシネマくらいですね。
Commented by kase551 at 2007-09-28 22:20
 名画座・二番館の衰退は、実にさびしいですね。授業をさぼって^^; ふらりと名画座に立ち寄るという「学生文化」が失われたことは、今の学生の教養にも影響を与えているかもしれません。
 
 私は、「ファミレスシアター」であるシネコンには、どうもなじめませんね。^^;


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