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藍川さとる『晴天なり』(新書館)

「【綛谷(かせたに)】という人物が出ているマンガがある」
と聞かされて、藍川さとる『晴天なり』(新書館)という作品を
読んでみました。
藍川さとる『晴天なり』(新書館)_c0040369_1282335.jpg
 
  まず感じたのは、藍川さんの画力と、繊細な心理描写の巧さです。
 いや~、巧いですねぇ。

 絵もきれいですが、結構深刻なテーマを扱いつつも、うまくまとめる
構成力にも、感嘆しました。
 
 綛谷暁(かせたに あき)というその人物は、
「古い料亭の一人娘」で、「跡継ぎの婿」との結婚が
定められているとの設定・・・・

 主人公曰く
「一見おしとやかで・・・・ でも強い
言うなれば理想の女かな」(151頁)

 自分の「女としての性」に違和感を抱き続けてきた主人公は、
彼女(綛谷暁)を通して、確実に変わっていきます。
 このあたりの描写も巧いのですが・・・

 「かせたに」の人物設定が、あまりにも浮世ばなれしています。
 リアリティ(現実感)がないですね。

 「かせたに」といえば、「我が強く」「偏屈」で、
「濃く」「しつこい」はずなのですが・・・・

 美人で優しく、バランス感覚に満ち・・・
 このような「かせたに」を初めて見ました。^^;

 こんな「かせたに」は、私が知る限りでは、絶対におりません!^^;
藍川さとる『晴天なり』(新書館)_c0040369_1353272.gif
(162頁)

 作者の藍川さんに、明太子でも送りましょうか・・・・
by kase551 | 2006-08-09 01:38 | マンガ | Trackback | Comments(0)


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