「【綛谷(かせたに)】という人物が出ているマンガがある」
と聞かされて、藍川さとる『晴天なり』(新書館)という作品を
読んでみました。
まず感じたのは、藍川さんの画力と、繊細な心理描写の巧さです。
いや~、巧いですねぇ。
絵もきれいですが、結構深刻なテーマを扱いつつも、うまくまとめる
構成力にも、感嘆しました。
綛谷暁(かせたに あき)というその人物は、
「古い料亭の一人娘」で、「跡継ぎの婿」との結婚が
定められているとの設定・・・・
主人公曰く
「一見おしとやかで・・・・ でも強い
言うなれば理想の女かな」(151頁)
自分の「女としての性」に違和感を抱き続けてきた主人公は、
彼女(綛谷暁)を通して、確実に変わっていきます。
このあたりの描写も巧いのですが・・・
「かせたに」の人物設定が、あまりにも浮世ばなれしています。
リアリティ(現実感)がないですね。
「かせたに」といえば、「我が強く」「偏屈」で、
「濃く」「しつこい」はずなのですが・・・・
美人で優しく、バランス感覚に満ち・・・
このような「かせたに」を初めて見ました。^^;
こんな「かせたに」は、私が知る限りでは、絶対におりません!^^;
(162頁)
作者の藍川さんに、明太子でも送りましょうか・・・・