『紅一点論』

 斎藤美奈子『紅一点論』(ビレッジセンター)を読みました。
 
 彼女の著作は何冊か読んでいますが、
『紅一点論』は、ずっと気になりながら未読でした。

 アニメ・特撮・伝記のヒロイン像を分析する
手腕が、実に鮮やかです。
 
 「すご腕実務ばばあ」としてのナイチンゲールが
「白衣の天使」「ランプを持ったレディ」として改竄
されたり、

 「融通の利かない永遠のガリ勉娘」である
マリー・キュリーにおいては、「愛の科学者」「キュリー夫人」として、
「母」「妻」イメージが強化されたり、

 「健常者文化の冷静な批判者」であり、
「優れた芸人」でもあったヘレン・ケラーが
サリバン先生とのエピソード=「ことばをおぼえる」
のみで「奇跡の人」と枠にはめられる

 という伝記のヒロイン化操作が、
『風の谷のナウシカ』『セーラームーン』『もののけ姫』
などにおけるヒロイン像の造形と共通しているという 
指摘には、「さすが!」とうなりました。
 
 そして、そのヒロイン像の変革を求める
斎藤さんは、「どんな社会も、たくさんの女性の
参入で、何かが変わるはずである」と述べています。

 「たくさんの男性と少しの女性でできた世界に鉄槌を!」
と主張する彼女は、きわめて優れたフェミニストの論客
だといえます。


 そういえば、第二次フェミニズムの主導者となった
ベティ・フリーダンさんが、亡くなりました。85歳でした。

 「居心地の良い強制収容所」に押し込められた
米中産階級主婦たちの代弁者として活躍した
フリーダンさんの冥福を祈ります。

 
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by kase551 | 2006-02-06 23:12 | | Trackback(1) | Comments(0)
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