みなもと太郎さんの『風雲児たち』をはじめて
読んだとき、明治維新が、関ヶ原での「負け組」による
「リベンジ」だったことを教えられ、感嘆しました。
歴史というものは、ぶつ切りの出来事の羅列ではなく、
絡み合いながら流れ続けるものだということを、
『風雲児たち』から、実感を持って教えてもらったように
思います。
幕末の日米交渉で、小笠原諸島を「無人島」として
領有権を主張する米国に対して、幕府側が提示した
資料が、かつて「危険人物」として断罪された、
林子平の著作『三国通覧図説』の海外翻訳版だった
というエピソードには、「お~っ!そうやったんか!」
と、声をあげてしまいました。
現在も、雑誌『コミック乱』で連載中の傑作ですが、
願わくば、みなもと太郎さんには、明治維新以降の
近代・現代史も描いていただきたいものです。