かつて、ニッカウヰスキーに勤務していたとき、
朝は卸売店、昼は小売店を回って、受注・販促・
打ち合わせなどの営業活動をするのがニッカ、
いや日課だった。
そして夕方、事務所に戻って伝票整理や書類作成などの
内勤をしたあと、夜の営業活動へ。
居酒屋・スナック・バーなどを回る、「業務店視察」。
その具体的内容は・・・
ニッカをメインに置いてくれている店への、
「いつもありがとうございます」という「維持活動」。
景品などを使って、新製品などをプッシュする「拡売活動」。
サントリーが強い店に食い込み、逆転を狙って通い続ける「開拓活動」。
いずれも、カウンターに座って、飲みながらの「業務店視察」だ。
飲むときは必ず水割りで。
経費削減と、水割りを作ってもらいながら、コミュニケーションがとれるため。
そして、酔わぬように「殺して飲む」。
勘定の時には、領収証をもらって、翌日「業務店視察記録」とともに
清算伝票を書く。
これは「公」だ。
プライベートで飲むときは、自分の担当でない店を選ぶ。
ストレートかロックで楽しむ。
ときおり飲みすぎて、アホなこと(たいていオヤジギャグ)をほざく。
当然、自腹で、領収証などもらうはずもない。
これが「私」だ。
今思い出せば、「公」のときには、ウイスキーに悪いことをしていたなぁ・・・
せっかくの美味く濃い味を、水でジャブジャブに薄めて・・・
考えてみると、もう20年間、水割りを飲んでいない。
今日は、ブラックニッカをストレートで楽しんでいる。
酒の味を楽しむには、「私」に限る。