「軍艦島」

 『日刊イオ』の「軍艦島」に関する記事
(http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/a9edce75b3f9c721f011896c07921d96)を読み、
一昨年の長崎研修旅行を思い出した。

 「研修報告」として書いた拙稿(題名「無念の遺骨」)の一部を転載する。

 

 
     無念の遺骨
                             
 「う~ん・・・」
 長崎港を出発してから約40分。
 デッキの間近に迫る軍艦島(端島)をながめながら、思わず私はうめいた。
 海底の石炭を掘り出すためだけに、埋め立て工事によって作られた人工島・軍艦島は、
日本の近代化の縮図といえる。
 ひしめくように建てられた、職員住宅と学校。そして、高台からそれらを見下ろすように
そびえ立つ幹部職員住宅と神社の祠。

 かつてこの島で働いていた日本人による「回顧録」や「写真集」には、
石炭景気が全盛だった1950年代の軍艦島をなつかしむトーンが色濃く流れている。
 しかし軍艦島には、これらの「記録」が触れようとしない歴史の闇が染み付いている。
 日本が先の戦争に敗れる前、軍艦島に強制動員されてきた朝鮮人・中国人たちにとっては、
軍艦島は絶望の島だったにちがいない。解放される見通しはなく、日夜強いられる過酷な労働。
船内放送によると、この島で死亡した人たちは、隣の中ノ島で火葬されたとのことだが、
断崖から海に投げ捨てられた遺体も少なくなかっただろうと、私は想像している。

 今(11月某日)、この原稿を書きながら、先月ライブで聴くことのできた李政美さんの
「京成線」という歌を思い出した。
 ♪低い鉄橋の その下には 埋もれたままの 悲しみ眠る エヘイヨ エヘイヨ♪
 これは、関東大震災の時に、「朝鮮人が井戸に毒を投げた」などという事実無根のデマによって、日本人が多くの在日朝鮮人を虐殺した事実を示している。

 荒川河川敷に埋もれている朝鮮人の遺骨。
 軍艦島の周囲に眠っている朝鮮人・中国人の遺骨。
 このような事実を知る私は、若い人たちにその一端であっても伝えていかねばならない。 
 軍艦島を見た翌日に見学した「岡まさはる記念平和資料館」の充実した展示に圧倒されながら、
その思いを新たにした。
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by kase551 | 2010-06-10 21:55 | 社会 | Trackback | Comments(4)
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Commented by at 2010-06-11 00:43 x
こんばんわ。
「軍艦島」の観光ガイド研修では、
強制連行の事には触れないように、
というお達しがあったらしいです。
これでは歴史を正しく伝えるから、
程遠いような気がします。
なんでも「軍艦島」を『世界遺産』に
しようという動きもあるようです。
そのためには「闇の歴史」は語るなかれ!
という事なのでしょうか。
Commented by kase551 at 2010-06-11 22:40
  順さん、こんばんは。
 そんな「お達し」があったのですか?
 ちょうど、今週末に、「軍艦島クルーズ」運営会社と
長崎市観光担当部署に、手紙を送ろうと考えておりましたので、
これも確認してみたいです。
Commented by at 2010-06-12 00:56 x
こんばんわ
上述の一件は「岡まさはる記念平和資料館」で
伺った話です。
Commented by kase551 at 2010-06-13 22:29
 情報ありがとうございます。


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