田中角栄と周恩来

 田中角栄に関する本を、ときどき読み返す。

 特に、秘書だった早坂茂三氏による『田中角栄回想録』(集英社文庫)
は、何度読み返しても、飽きることがない。
 
 同書に、日中国交正常化に関する次のような田中氏の発言がある。

 「日中を断行する。オレにしても今が一番、力の強いときだ。
 党内は台湾派が多くて厄介だが、命がけでやればできる。
 オレの力が弱まれば、それもできない。毛沢東、周恩来は死線を
 何十回も越えてきた創業者だ。その点で信用できる。話もつけられる。
 だから、毛周の目玉の黒いうちに、一気にやるんだ」(191頁)
 
  そして、田中角栄が周恩来に初めて会ったとき、
 蒋介石をどう思うかという田中氏の質問に、周氏は
 「蒋介石は世界に誇る中国人の代表の一人だ」と答えた。

  その理由は、第二次世界大戦中、統帥権を連合国に
 委任しなかったからとのこと。

  台湾をめぐる両者のやりとりや、日本による侵略被害に
 対する周恩来の理路整然たる説明など、田中角栄と周恩来という
 傑出した政治家の実力・魅力に、感嘆する。
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by kase551 | 2010-05-24 23:59 | 社会 | Trackback | Comments(0)
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