食の変化

 宅配寿司の「銀のさら」のチラシに、
「まさかの美味しさ!!天然トロ祭」
と記されている。

「大トロも中トロも驚きの価格での提供が
可能となりました」

 
 せやけど、俺がガキのころは、今みたいに
トロを珍重してなかったなぁ。

 あいまいな記憶だが、ハマチ・マグロ(赤身)・
トリガイなどが人気のネタだったと思う。


 二、三年前、1960年代におけるホルモン料理に
対する認識の一端を確認するため、大藪春彦の
『蘇える金狼』を再読した。
 この小説が書かれたのが、60年代中盤。

 
 背広姿のサラリーマンが、「アリラン」という店に
入り、ジャンパーや作業着姿の先客たちから、
鋭い視線を浴びせられるという場面がある。

 「肉体労働をする男たちのスタミナ食」という
イメージが、当時のホルモン料理にはあった。

 在日朝鮮人が、日本社会の偏見と差別の中で、
生活の糧を得るためにあみ出したホルモン料理は、
朝鮮半島の伝統的な料理でもなく、日本の伝統的な
料理でもない、「在日朝鮮人料理」と言うべきものだ。

 これに関しては、拙著『コリアン三国誌』(新幹社)で
詳しく書いているので、関心のあるかたは、ぜひ・・・(宣伝^^;)
 

 
 『蘇える金狼』には、当時の東京におけるトロの位置づけが
 描かれており、これも興味深い。

  主人公が寿司屋のカウンターで注文する場面を引用する。

 「ビール。それからトロを切ってくれ。大トロのところだ」
 朝倉は値段の心配のないものを注文した。
 (大藪春彦『蘇える金狼』角川文庫、71頁)
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by kase551 | 2010-04-16 23:50 | 社会 | Trackback | Comments(0)
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