今年5月に急逝したやまだ紫さんの『性悪猫』が、小学館から復刊された。
私はこの傑作を、『ガロ』では何度か目にした記憶があるが、
単行本は、ちくま文庫版でしか持っていなかったので、勇んで買う。
幼いころ、犬を飼っていたこともあり、猫は好きではなかった。
どちらかといえば、嫌いだった。
そんな私が、「猫も・・・ えぇやんか」と思うようになったのは、
夏目漱石の『我輩は猫である』と、ますむらひろしの「アタゴオル」シリーズ、
そしてこの、『性悪猫』の影響ゆえ。
繊細な感覚と詩情がみっちり詰まったやまだワールドにひたる。
せけんなど どうでもいいのです
お日様いっこ あれば
「日向」におけるこの名文句と、座布団の上でまどろむ猫の絵を
何度も見返して、感嘆・・・・・
ようこんなすごい作品をつくらはったなぁ・・・・
ホンマ、
天才・・・・・
巻頭巻末の「猫ギャラリー」も、すばらしい。