「慰安婦」問題

 野田正彰『見得切り政治のあとに』(みすず書房)
は、野田氏が『信濃毎日新聞』に連載しているコラムを
まとめたものだ。
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 新聞コラムゆえ、簡潔で読みやすいが、内容は非常に濃い。

 「あとがき」で野田氏は、次のように述べている。

 「全国紙の一面下のコラムなどを見ると、主張があるわけでもないのに、
 担当者として書きこなしているにすぎない文章によく出会う(後略)」

  こう言い切れるだけのコラム集だと、私は思う。

  中国海南島や台湾における「慰安婦」被害者に関する
 記述が、特に印象に残る。

  特に海南島における日本軍による性暴力の悪質さには、
 殺意がこみあげる。

  絶対的な「よるべなさ」のなかで、毎日日本兵たちの
 性暴力にさらされ続けた女性たちとその家族たちの思いを、
 野田氏のコラムは伝えている。

  「一人ひとりを診察し、今も心身の症状に苦しむ老女の治療を
  する責任が、日本政府にあると私は思う」(133頁)

  同感。

  私は、「アジア女性基金」に貧者の一灯を託してはいるが、
 この問題については、日本政府による公的補償がなされるべきだと考えている。
    
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by kase551 | 2009-08-29 23:38 | 戦後処理 | Trackback | Comments(0)
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