金大中元大統領によって実現した、2000年6月の南北首脳会談は、
朝鮮戦争によって生き別れとなった南北離散家族の再会を促進した
ほかにも、金正日総書記のイメージを大きく変えるという結果を
もたらした。
金大中大統領(当時)と会談した金正日総書記は、次のような
内容の発言をした。
「西洋のマスコミは、私が『隠遁生活』をしているなどと言っているが
(中略)、金大統領のおかげで、『隠遁生活』から解放されましたよ(笑)」
また、首脳会談をしめくくる晩餐会における、離散家族再会促進への
メッセージを、金大中大統領夫妻の座席配置にからめて述べるなど、
この会談において、金正日総書記のイメージは、従来の「正体不明のひきこもり独裁者」
から、「機知に富んだ戦略家」という方向に、大きく変化した。